模倣品や海賊版から会社を守る!(第3回)模倣品を水際で食い止める

模倣品を水際で食い止める!中小企業のための「輸入差止申立て」活用術
 前回は、中小企業が持つ「知的財産権」の種類と、その侵害リスクについてお話ししました。今回は、その知的財産権を活かして模倣品から会社を守る、最も効果的な方法の一つ「水際対策」について解説します。
水際対策とは、海外から持ち込まれる偽物を、日本の玄関口である税関でストップさせる仕組みです。この対策は、模倣品が国内市場に出回る前に食い止めることができるため、被害を未然に防ぐ上で非常に重要な手段となります。
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「水際対策」とは何か?
 水際対策とは、偽物や海賊版などの知的財産権を侵害する商品が日本に入ってくるのを防ぐための税関での取り組みです。この対策の最大のメリットは、会社が直接、悪質な模倣品業者と戦う必要がない点です。税関があなたの代わりに、偽物の流通を止めてくれます。
 水際対策によって得られる効果は以下の通りです。
• 偽物の流通をシャットアウト: 模倣品が市場に出回る前に食い止めることで、売上やブランドへの被害を防ぎます。
• ブランド価値を守る: 税関で差し止めることで、消費者の目に触れる前に偽物を排除し、ブランドの信頼性を守ります。
• 模倣品業者への警告: 「この会社は税関と連携して対策している」という姿勢を見せることで、模倣品業者への強力な抑止力となります。
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日本税関の「輸入差止申立て制度」を活用しよう
 この水際対策の中心となるのが、日本税関の「輸入差止申立て制度」です。これは、知的財産権を持っている企業が税関に申請することで、税関が偽物を発見し、輸入を差し止めてくれる制度です。
申立て制度の仕組み
1. 申立ての準備: 会社が「偽物の特徴」や「本物との違い」をまとめた資料を準備します。この時、知的財産権の登録証明書なども必要です。
2. 税関への申請: 準備した書類を税関に提出します。この申請によって、税関はあなたの会社の製品を偽物の監視対象として登録してくれます。
3. 税関による監視: 輸入品の中に怪しいものがあれば、税関が差し止め、本物かどうかを確認する手続きに入ります。
4. 確認と措置: 税関が「これは偽物だ」と判断した場合、輸入者に廃棄命令を出し、あなたの会社に被害が及ぶのを防ぎます。
この制度の大きなメリット
• 手間とコストを削減: 模倣品が市場に出てから、法的な手続きで戦うよりも、税関の力を借りる方が、はるかに手間もコストも抑えられます。
• 被害を未然に防げる: 偽物が市場に出回る前に食い止められるため、ブランドイメージの低下や売上減少といった被害を未然に防げます。
• 長期的な対策が可能に: 一度申立てが認められれば、税関が継続的に監視してくれるため、長期的な模倣品対策になります。
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申立てをスムーズに進めるための3つのポイント
 この制度を効果的に活用するためには、以下の点に注意しましょう。
1. 知的財産権を確実に取得する: 申立てには、特許権や商標権などの知的財産権の登録が必須です。まだ取得していない場合は、早めに手続きを始めましょう。
2. 専門家の協力を得る: 弁理士や知的財産に詳しい弁護士と連携することで、複雑な申立て手続きや書類作成をスムーズに進められます。
3. 税関との情報共有を密にする: 模倣品の特徴や新しい偽物情報など、定期的に税関に情報を提供することで、より効果的な監視体制を築けます。
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 水際対策は、中小企業が模倣品リスクから自社を守るための、非常に強力な武器です。ぜひこの制度を活用し、あなたの会社の「宝」を守りましょう。

2025年09月12日